
四方の自然景観を鑑賞できるように戸や壁を取り払い、ロフトのように高く設けた楼亭では儒学者の人 文学的素養の奥ゆかしさを体感できます。楼亭は儒学者が休息しながら自然景観を愛で、学問と品性を 研鑽するための空間として使用されました。楼亭では当時の士大夫や詩人、画家などが風情を楽しみ、 親交を交わし、学問を磨きました。錦江と楼亭を通じてソンビ精神(儒学者として学問を究めようとする 精神)と風流文化を体感できる扶餘郡の儒教文化観光コースを巡ってみましょう。

1623年に光 くぁんへぐん 海君を王位から追放し仁 いんじょ 祖を王位に 就けた反正(現王の王位をはく奪し、新しい王を就 けること)の直前、金 きむふんぐく 興国はその動きに加わるこ とを勧められましたが、「二君に仕えることはでき ない」と言って断りました。その後、官職を辞し、 白 ぺんまがん 馬江を見下ろせる自 ちゃおんで 温台の上に楼亭を建てて、 余生を送りました。その楼亭は彼の雅号を取って 「水北亭」と名付けられました。
現在水北亭の下には船着き場があり、三千名の宮 女が身投げした伝説が伝えられる落 なくぁあむ 花岩と百済王 が行幸する際に自ずと温かくなったと伝えられる自 温台を眺めながら行き交う遊覧船が運行していま す。
所在地 | 忠清南道扶餘郡窺岩面窺岩里147-2番地
時期 | 17世紀初め(光海君)
用途 | 展望、休息


月見をした「送 そんうぉるで 月台」があったと伝えられる、 扶蘇 山城で最も高い地点にある泗泚楼では眼下に広が る扶餘の風景を一望できます。
所在地 | 忠清南道扶餘郡扶餘邑扶蘇路31
時期 | 1824年(純祖24)
用途 | 展望、休息

艮 かんでり 大里に住む庚寅年(1890)生まれの9名が共同して建てたと伝えられる九庚亭は白 ぺんまがん 馬江一帯の風情と景色 を満喫できる、扶餘のかくれた名所です。2017年には「扶餘郡郷土文化遺産」に指定されました。
所在地 | 忠清南道扶餘郡世道面艮大里42
用途 | 展望、休息

「玉女峰」は玉皇上帝の娘が夜に地上に下りて来たのですが、月光に陶酔してしまい、天上に戻ることが 出来なくなったという伝説が伝えられています。玉女峰の頂上に登ると山を背景に広がる論 のんさん 山平野と河川 がまるで水彩画のように調和した風景を満喫できます。頂上にあるケヤキの木の下には大きな岩が横たわ っているのですが、昔の詩人や画家が上って刻んだ名前と詩文があちこちに刻まれています。
所在地 | 忠清南道論山市江景邑玉女峰路73番キル
用途 | 自然景観