華陽九曲は尤庵・宋時烈が官職を退いた後に「安 貧楽道」の生活を送りながら、政治から距離を置 き、書を読みながら弟子を育てた所です。

自身を朱子になぞらえた宋時烈は朱子の「武夷九 曲」をまねて、華陽に九曲を設けることを構想して いました。そして華陽九曲を最初に設けた人は当 代の政治の実権を握り、宋時烈の一番弟子だった 権 くぉんさんは 尚夏だったとされています。彼が九曲を設け、九 曲詩を詠ったのは宋時烈の学脈を継承しようとす る意志を表明したものであり、偉大な先賢だった 宋時烈に対する尊敬心を学問的に表現したもので す。

↑↑↑第一曲・ 擎 きょんちょんびょく 天 壁 | 険しくそびえる奇岩には「華陽 洞門」という宋時烈の文字が刻まれています。
↑↑第三曲・泣 うっぷくんあむ 弓岩 | 孝宗が崩御すると宋時烈はこの岩に上 り、うち伏せて慟哭したと伝えられ、後に人々は「泣弓岩」と 呼ぶようになりました。
↑第四曲・金 くむさだむ 沙潭 | 金沙潭の岩の上にある岩 あむそじぇ 捿齋は宋時烈が 学問を錬磨し、後進を養成しながら隠居した場所と伝えられて います。

所在地 ｜ 忠清北道槐山郡青川面華陽里一帯
用途 ｜ 展望、修養

華陽川に沿って連なる華陽九曲の雲 うにょんだむ 影潭から 金 くむさだむ 沙潭までの一帯は華陽書院と万東廟を中心にひ とつの景観を形成しています。
華陽書院は1695年に宋時烈を祀るために彼の門下 生の権 くぉんさんは 尚夏や鄭 じょんほ 澔など老論派に属する官僚や儒学 者たちが力を合わせて建てました。華陽書院があ る土地は宋時烈が丙 びょんじゃほらん 子胡乱以降に一時隠居しなが ら学問を磨き、後進の指導に当たった場所です。
万東廟は壬辰朝日戦争の際、援軍を送った明皇帝 の神宗と明最期の皇帝・毅宗を祀るために建てら れた祠堂です。

華陽書院

所在地 ｜ 忠清北道槐山郡青川面ファヤン東キル188
時期 ｜ 1696年(肅宗22)
用途 ｜ 祭祀、教育

万東廟

所在地 ｜ 忠清北道槐山郡青川面ファヤン東キル188
時期 ｜ 1703年(肅宗29)
用途 ｜ 祭祀

葛隠九曲は元々カルロン村に位置するカルロン渓 谷として知られていましたが、1999年に槐山郡の郷 土研究家たちが9カ所の曲がり角にある岩ごとに刻 まれた多様な漢詩を発見し、葛隠九曲として認識 されるようになりました。

谷深さで有名な槐山郡の中でも最も奥地にある葛 隠九曲は自動車が辛うじて通過できるほどの狭い 道でたどるカルロン渓谷の上端に位置します。人が あまり近寄らなかったため昔の自然がそのまま残っ ています。

所在地 ｜ 忠清北道槐山郡七星面カルロンリ一帯
時期 ｜ 1899年以前
用途 ｜ 展望、修養

仙遊九曲は新羅王朝期の 崔 ちぇちおん 致遠が景色を鑑賞し ながら「仙遊洞」という文字を刻んだことから名付 けられた場所です。昔から仙遊九曲は詩人や文人 たちの往来が絶えなかったところで、孤雲・崔致 遠、 愚 うぼく伏 ・ 鄭 ちょんきょんせ 経世 、 陶 とあむ菴 ・ 李 いじぇ縡などが好んで通い ました。

退 て げ溪 ・ 李 いふぁん滉がここを訪問したところ、山水と岩、松 の老木などが絶妙な調和をなした景色にほれ込 み、9カ月も留まって一曲から九曲まで名前を付け て岩にその名前を刻んだと伝えられています。長い 風雪にさらされ文字はなくなってしまいましたが、 その絶景は昔のまま残っています。

所在地 ｜ 忠清北道槐山郡青川面三松4里仙遊洞一帯
時期 ｜ 1752年
用途 ｜ 展望、修養